プラリペアキットを使ってプラスチック製品を修理

子どもがよくおもちゃを壊すので、我が家では常に瞬間接着剤がストックされているのですが、ロボットフィギュアの可動関節など力がかかる部分の修理ではどうしても強度不足になるので、ホームセンターで見かけた「プラリペア」という商品を買ってみました。

要強度はイメージです。

武藤商事 プラリペア クリアー PL16C

プラリペアは、いわゆる接着剤ではなくて「造形補修材」と呼ぶものらしいです。要は2剤を混合して樹脂(アクリル樹脂)になる代物です。樹脂になるため、補修だけでなく充填による造形もできることから「造形補修剤」というわけです。高いです。

タミヤセメントとかプラモデルの接着剤は周辺のプラスチックを溶かして接着しますが、プラリペアは重合硬化といって対象の素材と化学結合あるいは付着接着するため、元の素材に近い強度が期待できます。アクリル加工の接着とかも同じような感じだと思います。接着できる素材はメーカーサイトに記載があります。

参考: 造形補修剤プラリペアのサイト

マジンガーZの膝関節を造形して修理する【要強度★★★】

なので、瞬間接着剤やタミヤセメントでは強度不足になりがちなプラモデルの可動部分なんかにはバッチリです。価格はそこそこしますが、うちみたいによく物を壊すヤツがいるご家庭では元が取れるでしょう。

今回修理したのはバンダイの「メカニックコレクション マジンガーZ」の膝。接着剤のいらないスナップキットのプラモデルで、脚や腕など可動部分が多くポージングがしやすい作りです。うちの子にこういうのを与えると、ポージングだけでなくゴジラのソフビなんかと一緒に遊ぶので、たいていどこかが壊れます、すぐに。

プラリペアはパーツとパーツの接合にも使えるのですが、小さな部品だと作業しにくかったりうまく強度を出せない時もあります。注射器のようなアプリケータを使ってアクリル樹脂のパウダーと液を滴下、という作業なんですが、細い棒パーツは予め接着したりしないとうまく結合できないので、今回は壊れた部品と同じ形のものを造形することにしました。最近は3Dプリンターが欲しいです。

壊れたマジンガーZの膝関節
壊れたマジンガーZの膝関節。小さなパーツに力がかかるので、瞬間接着剤も試したけど子どもの取り扱いには耐えられませんでした。

造形には、お湯で柔らかくなるプラスチック粘土を使います。同じメーカーから「型取りくん」というものも発売されているんですが、家にあったダイソーの似たような粘土で代用しました。

ダイソーのおゆプラ「お湯で柔らかくして何度でも作れるねんど」(型取りくんの代わり)
100円ショップ ダイソーのおゆプラ「お湯で柔らかくして何度でも作れるねんど」。

プラスチック粘土の使い方。お湯で柔らかくしてから元の部品と同じもの(今回はもう片方の脚の部品)を埋め込んだりして型をとり、冷えて固くなったらそこにプラリペアを充填、といった具合です。型取りくんはどうか知らんですが、100円ショップの粘土はかなりの熱湯に漬けておかないと柔らかくならず、取り出すとすぐ硬化し始めるので作業性は悪かったです。

セリア(seria)のおゆプラ
6月22日追記
子どものエヴァンゲリオンの足首を直すのに改めてセリアのおゆプラを買ったらこちらはたいへん使いやすかったです。

ダイソー粘土でプラリペアの型取り

この方法ではそれほど精度の高いパーツは作れないので、適宜、足りない所に追加で充填したり穴あけしたりリカバリーが必要になってくるでしょう。

型取りしたプラリペアの樹脂

さらにカッターやヤスリで少し整形しなおせば組み立ててもバッチリになりました。触っても強度も元の部品と同じような感じです。

フィギュアの可動部分の補修成功

硬化すれば他のプラ製品同様、色を塗ったりできるそうですが、どうせ見えないしまた壊すかもしれないので今回はこれで終了です。相変わらず遊びに使われて最終回のマジンガーみたいになってますが、今のところ問題なく使えています。

エーハイム(飼育水槽のフィルター)の開閉タップを修理する【要強度★★★★★】

マジンガーZは実は何ヶ月か前に作業したもので、それっきりプラリペアは使ってなかったんですが、最近、水槽の掃除の時に間違えて壊した部品をプラリペアを使って直しました。

エーハイムのフィルターに付いている開閉タップ
ホースの取り外し方を間違えて壊してしまったエーハイムの開閉タップ。プラリペアで修理後も無事稼働中。

「エーハイム」っていう知っている人には有名なメーカーのエココンフォートというフィルターですが、繋げているホースを外すのに、えらい抜けねぇなと思って思いっきり引っこ抜いたら「開閉タップ」という部品を壊してしまいました。ホースの掃除なんて1年に1回やるかやらないかなので外し方忘れてしまってましたテヘ。

この開閉タップという部品は約2,500円と高価なこともありますが、とりあえずフィルターがない状態も困るので急遽プラリペアで治した次第です。

エココンフォートの開閉タップ説明
エココンフォートの開閉タップはこういう部品です。(エーハイム公式サイトの取り扱い説明書からお借りしました。)

写真を撮り忘れたのですが、ホースを接続すると隠れる部分、いわゆるニップルになっている箇所が取れちゃいました。ホースはニップルに接続したあとタップのネジで締め上げるので水圧&力がかかります。マジンガーZの膝なんか目じゃありません。

とりあえず、瞬間接着剤でニップル部分を接合したあと、その上からたっぷりと360度、プラリペアを盛って強度と防水対策をしました。硬化を確認してから慎重にホースを接続してネジを締め上げました。数日経ちますが無事に運転できております。

ちなみに、プラリペアを最初に使う時、リキッドをあける際に密閉用の中ブタが固くて裂けました。その後、ちゃんとフタを締めてもみるみる蒸発するようになって、数回しか使っていないのに数ヶ月でなくなりかけました。みなさんお気をつけください。